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タイ国内外旅行

タイ最大の奇祭!キンジェー期間に行われる【プーケットベジタリアンフェスティバル】

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Sunnyside

こんにちは!Sunnysideです。

タイ旅とバンコク街歩きが大好きで、夫と2人の子どもたちとタイ国内を色々と巡り、77県中76県を訪れました。

タイには、毎年10月頃に、キンジェー(ギンジェー:กินเจ)と呼ばれる菜食週間があるのをご存じでしょうか。

この菜食週間は、タイではタイ語でギン(食べる)、ジェー(中国語の「齋=精進料理」)と呼ばれます。

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写真提供:sukeslstyleさん

キンジェーの期間は、主に中華系の人が信仰する”九皇大帝”を祀って、タイ各地で宗教儀式やお祭りが行われます。

もともとは中国の道教に由来するお祭りですが、現在では中国本土ではなく、タイ・マレーシア・シンガポールといった東南アジアで祝われているそう。

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写真:sawady.chiangmai

その中でも、タイで最大規模であり、奇祭とも呼ばれているのが、プーケットで開催される「プーケットベジタリアンフェスティバル」です。

このお祭りで特筆すべきなのは、この期間のプーケットでしか見られない、「マーソン」と呼ばれる、神々が人間の身体に降り立った状態の信者さんたち。

異様とも映りがちな、その神がかった様子は、まさに神秘のお祭りと言えるでしょう。

この記事では、普段なかなか目にすることのできない、プーケットベジタリアンフェスティバルの様子について、詳しく紹介していきますね。

(※今回の記事の写真は、旅レポーター@tsumunakama_bkkから提供を受けています。)

2024年の開催期間は10月2日(水)から10月11日(金)まで

!とても大事な注意事項!
このお祭りが奇祭と呼ばれているのは、祭りの主体となっているマーソン達が、神がかりの証として、常人ではできないこと(体を痛めつけたり、体に穴を開けるといった行為)をしているのが要因です。

本記事では、そういった様子も載せているため、「見ていて痛々しい」写真も一部掲載されています。

苦手な方は、閲覧には注意をお願いします。

ベジタリアンフェスティバル概要

プーケットのベジタリアンフェスティバルは、毎年旧暦の9月1日(新月)から始まり、 9日に渡って開催されます。

タイ国政府観光庁Webサイトより画像引用)

この宗教儀式は、プーケット全土の中華系寺院・中華廟を中心に行われます。

上の地図を見ると、プーケットにこんなに中華寺院があるのか!と驚きますよね。

プーケットといっても広いので、プーケット旧市街オールドタウン)(地図)に滞在して、その周辺の寺院で参加するのがおススメです。

上の地図のそれぞれの寺院で、いつどのような宗教儀式が開催されているは、こちらのカレンダーに書かれています。

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開催規模がでかすぎてスケジュールが多すぎて、もはや把握が出来ん!

開催日をみると、儀式は最終3日間に集中している様なので、訪れるのであれば、お祭り初日か最後の3日間がいいかと思います。

宗教儀式のイメージは主にこの3つ。

1.中華寺院で行われる神下ろしや神輿の儀式

2.周辺を練り歩くパレード

3.火渡りの儀式(夜開催)

タイ各地の中華寺院から始まるパレードが通るルートはこんな感じ。

基本的にどのパレードも、プーケット旧市街のスリン時計塔(地図)や、すこし南にいったところにあるサパーンヒンロータリー(地図)を通るようなので、この辺りで待機すれば、1日のどこかでパレードを見られると思ってOKです。

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写真:sawady.chiangmai

プーケットの中華寺院は、期間中どこでも祭祀が行われますが、プーケット旧市街から徒歩圏内でアクセスがしやすく、儀式が大体的に行われているのがジュイトゥイ寺院(Jui Tui Shrine)(地図)です。

中華寺院が、神輿を担いで行われるパレードの起点と終点になっており、また神降ろしの様子なども見ることができるので、ぜひ1度は参拝してみましょう。

また、このお祭りの中心的存在が、「マーソン」と呼ばれる、神様が人間の体に宿ったとされる人たちです

寺院で一定の儀式をすませると、ある瞬間から「神様が下りた」状態になり、いわゆるトランス状態になります。

神様が下りている間は、痛みが伴う苦行にも耐えられるそう。

マーソンの人たちは、通常とは違う歩き方をしたり、独特の声を発したり、出血を伴う苦行を行ったりと、とにかく「常人とは違う」という様子になります。

写真だけ見ると奇行とも映りがちですが、実際にその姿を目の当たりにすると、神が下りているとしか思えない雰囲気に圧倒され、神秘的なお祭りであることを肌で感じることができます。

ちなみに、これはプーケットに限らずですが、キンジェーの儀式の参拝は白い装束に身を包んで過ごします。

必ずしも全身真っ白でもなくていいようなので、儀式への敬意をこめて、できれば白い服で臨みましょう。

地図を整理すると、こんな感じになります。

ベジタリアンフェスティバル 旧市街の様子

普段は観光の中心地ともいえる、プーケット旧市街。

キンジェーの期間中は、白い服を着た信者や参拝者の人であふれています。

旧市街のシンボルともいえる時計塔資料館(地図)の前は、龍が練り歩いていました。

この手のオブジェはプーケット旧市街ではときどき見かけますが、白い体に爆竹を持っているので、さりげなくベジタリアンフェスティバル仕様ですね。

旧市街の少し南に行ったところにあるロータリーのスリン時計塔(地図)の方は、龍にぐるぐる巻きにされました。

町で行われるパレードで、注意をしたいのが爆竹による爆音です。

パレードを歩く信者や神輿の足元などに、大量に爆竹が敷かれます。

爆竹を吊り下げた竿を持って練り歩く人たちもいたり。

タイで爆竹音にある程度慣れている様な人であっても、至近距離で大量に打たれる爆竹のボリュームは、かなりの衝撃

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言葉の表現は悪いかもしれないけど、市内で暴動に巻き込まれたかのような衝撃がある。真面目に耳栓の持参をすすめる

あまりの爆音と煙の多さに、視界も音もさえぎられるので、危ないと感じたときは路地裏に避難するようにしましょう。

ずっと続くわけではないので、パレードが過ぎてしまえば大丈夫です。

子供達も、あまりの轟音に身動きが取れなくなっていたところに、周辺の人が親切に椅子を貸し出してくれたので、ちょっと距離を置いて参加しました。

旧市街には、ベジタリアンのフードストリートがありました。

「タイ版のビリヤニ」として知られるカオモッガイ。

カオモッガイは普段は鶏肉を使いますが、ベジタリアンフェスティバル期間中は肉類は避けられので、このお店では大豆ミートで提供。

見た目はカオモッガイなのに、美味しくってヘルシー!

タイのキンジェーは、ヘルシー志向のタイ人にとっても、色々な菜食メニューが提供されるので、ありがたい期間なんだそう。

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逆に、この期間中は、タイ旧市街のお店はお休みだったり、菜食メニューしか提供されていないところも多いので、事前にチェックしていたお店の通常メニューを楽しめなかった!ということもしばしば

通常メニューを楽しみたい人は、キンジェー期間外に改めて訪れよう

町の至る所では、爆竹やお供え物が販売されています。

町中で思いっきり爆竹を鳴らせる機会はなかなかないので、一度は買ってみてもいいかも?

白い服が売られている店もあったので、当日白装束を身に纏いたいという方は、現地で調達しましょう。

ベジタリアンフェスティバルのパレード

ここからは、実際のパレードの様子を紹介していきますね。

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痛そうな写真もでてきますので、改めて注意喚起!

歴史大河ドラマから出てきたのかな?という雰囲気のおばさま。

マーソンの方たちは、神が降り立った後であることを示すため、普通の白装束とは異なるカラフルな衣装を身に纏います。

マーソンの方たちに敬意を表して、祈る参拝者たち。

体に刺さるものが多い(多くの苦行を行っている)人ほど神に近い者、と信じられているそう。

参拝者は、マーソンたちからご利益を分けてもらうために、彼らに体に触わってもらったり、食べ物を頂いたりします。

沿道には、お供えものが置かれた台があちこちにあり、そこでもマーソンたちが祈りを捧げます。

ひとつひとつの所作が儀礼的で美しく、見惚れてしまいますね。

垂れ幕を掲げて、練り歩く白装束の人たち。

これだけ見ていると、ホントにタイで行われているとは思えないほど独特ですよね。

お神輿に、神様(これが九皇大帝?)を乗せて練り歩いています。

爆竹の煙を防ぐためなのか、全員サングラスで防護?

こちらは神様を直接頭の上に掲げています。

パレードは既定のルートを一周して、出発した寺院に戻ってくるのですが、戻ってきた頃には白かったはずの装束が煙と泥で真っ黒に。

お神輿の周囲ではバッチバチに爆竹がたかれて、普通にやけどする勢いなので、近づきすぎないように注意しましょう。

ここからは、体に穴を開けているマーソンの方たちを見ていきます。

まずは旗の竿。

こちらの方は傘の柄。

なんと、刀が両の頬に…!

こちらは、、、扇風機?

皆さんよく思いつくなと思うものを、思い思いに刺しています。

神様を下ろしている状態なので、痛くないとのことなのですが、本当にそうであってほしいと思ってしまいますね。

パレードが通り過ぎた通りには大量の爆竹のごみが。

これもあっという間に片づけられ、埃は散水車で掃除され、みるみる綺麗になっていきます。

パレードがない時間帯は元の静かな町に戻りますので、この変わりようも見ていて面白いですよ。

あと、冒頭のスケジュール表で「The Ceremonial Bridge Crossing Ritual(橋を渡る儀式)」という表記があります。

スリン時計塔から南に10分ほど行ったところにある歩道橋の下で、パレードに参加をしていたマーソンたちが、旗で体を隠すような動きをしたり、何かを唱えている姿を偶然目にしました。

歩道橋の橋の裏に何かお札が貼られていたので、もしかしたらこの場所のことなのかな?という気がしています。

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タイの中でもお祭り関連はわからないことが多いので、これはこういう意味だよ!という情報があったら共有求む!

ベジタリアンフェスティバルの火渡り

火渡りは、各地の中華寺院で夜に行われる儀式です。

冒頭のカレンダーを見てもわかるとおり、各寺院で1日しか開催されませんので、火渡りも見たい場合はスケジュールを確認しましょう。

こちらの寺院では、スケジュールでは午後8時から儀式開始となっていたのですが、舞台?となる火の山を整えるのにすごく時間をかけていて、実際に始まったのはなんと11時を回ってからでした。

タイなので、スケジュールは飽くまで目安程度に構えておきましょう。

準備を終えたマーソンたちが、裸足で火の上を歩いていきます。

ゆっくり歩くほど、苦行としては徳が高いのだとか。

普通に熱々っ!!って感じで渡られている人もいて、あ、やっぱり熱いんだって逆に安心したりする場面も。

その他にも、背中に斧を力強くあてたりする苦行もあったりしました。

体の穴はまだ、ピアスの様に時間をかけて空けたのかな、と思ったりもしましたが、目の前で流血行為が行われるというのはとても痛々しく、苦手な方には特に注意が必要です。

まとめ

普段は観光地として喧騒あふれるプーケット。

プーケットベジタリアンフェスティバルのときばかりは、この地に住む中華系タイ人の人たちのための神秘的な舞台に様変わりします。

開催期間も比較的長めですので、ビーチリゾートとはまた違ったプーケットの魅力を感じたい方は、ぜひ訪れてみてくださいね。

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タイ在住。バンコクの街歩きと、市場でくつろぐ猫が大好き。ガイドブックに収まりきらないタイ国内旅行の魅力を発信中!よりディープなお出かけはInstagramから

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